母里太兵衛と名槍『日本号』

黒田二十四騎の一人、母里太兵衛と名槍『日本号』のエピソードは今でも謡曲「黒田節」で歌い継がれています。

主人公の母里太兵衛は黒田二十四騎の一人で、後藤又兵衛と並ぷ豪傑、黒田 藩の重臣で、眉太く六尺の大男だった。

小田原征伐の際、広島藩土福島正則の京都伏見での酒宴に、藩主黒田長政の命により使者として赴くことになった。
酒豪の太兵衛は出発する際に、「先方で酒を出しても飲むことまかりならぬ」 と固く禁じられていた。

福島正則は 用件が済むと直ちに酒席を設け「そなたには、これが良かろ う遠慮なく飲まっしゃい」と大杯になみなみと酒を入れる。
太兵衛は「ご勘弁を・・・」と断る。
しかし「それを飲んだら望みの物は何でもつかわそう、どうじゃ それでも飲めぬとあればわしの家来になるか」と迫られる。
そこで、太兵衛は「然らば、ここを戦場と心得、頂戴仕りまする」と言ってグイグイ と大杯を飲み干してしまった。

そして、福島公が自慢としている家宝の名 槍『日本号』をいただきたいと申し出る。
しかし「あれだけは勘弁せい、太閤殿下からの拝領の槍だからのう・・・」とさ すが強情の正則も弱り切ってしまう。
ところが、太兵衛「約束が違う、武士に二言はござらぬはず」と迫り、大杯を 飲み干した代償として、見事、名槍『日本号』を持ち帰ったというストーリーである。

播磨黒田武士まつりに 福岡藩より参上し、特別出演された仲上 紀政さん (平成18年8月5日)